「ぐんま未来基金」の目指す財団はコミュニティ財団とよばれています。

コミュニティ財団は、地域の様々な人が寄付をして設立する市民による地域のための財団です。

つまり、自分たちの手でまちを良くするための仕組みです。

Q.コミュニティ財団とは?

A.「地域性」と「市民性」を大切にする、市民がつくる地域のための財団です。

①地域性

地域を単位とする組織です。全国を対象ではなく、地域に根差した組織であることも大事にしています。それぞれの地域には、それぞれの文化があり、暮らしがあり、課題があります。それに寄添い、地域のための組織であることを目指しています。そうした「地域性」も大切な要素です。地域に根差した組織だからこそできる役割があり、果たすべき使命があると考えています。私たち「ぐんま未来基金」は群馬県の全域を対象とし、群馬が抱える課題に向き合い、その「きざし」を応援する組織を目指します。

 

②市民性

特定の企業や個人、行政機関などが設立(企業財団やプライベート財団、外郭組織)したものではない、市民立の組織であること。多くは、100 名を超える市民寄付を基本財産にしており、市民一人ひとりの課題解決を支える意志がコミュニティ財団を生み出しています。 

Q.日本にはどのくらいのコミュニティ財団があるのですか?

A.日本には約30のコミュニティ財団が設置されています。

コミュニティ財団というコンセプトは、1914年に米国の現在のオハイオ州クリーブランドで発足した「クリーブランド財団」の設立にさかのぼるといわれています。それから2014年でちょうど100周年を迎え、米国内には700以上の財団、世界で1700財団もあるといわれています。米国のコミュニティ財団の中には、単体の資産規模が数十億~数百億円の規模のものも珍しくなく、1千億

円単位の規模のものもあります

Q.コミュニティ財団にはどんな機能があるのですか?

A.地域を良くするために、多様な資金が地域で活用できるように「資源循環」をします

①助成機関として助成事業を軸に展開

 

【事業指定寄付】

地域で課題解決に取り組む組織の寄付募集などを支援します。その際に、複数のプロジェクトを一緒に見せることにより寄付者に関心のあるプロジェクトを選んで応援できるようにしています。一部の地域ではクラウドファンディングのウェブサイトとも連携して展開を行っています。

 

【冠基金・じぶん基金】

寄付者にお預かりしたお金で寄付者自身や家族のお名前や、寄付者が選んだ任意の名前を付けた基金をつくって、希望に沿った課題解決への助成配分などをおこなう仕組みです。地域によっては同じテーマへ寄付された基金を組み合わせるマンション型基金を立ち上げて運営をしている場合もあります。また、遺言に基づいた寄付(遺贈寄付)などを基にした基金もつくられています。寄付者の意思を尊重し、地域に対しての恩返しや当事者性の発揮のための手段としても活用されていま。

 

【社会変革を促す企画基金】

コミュニティ財団の方で地域に必要なテーマ(解決が必要な課題や支援が必要な取り組み)を支援するための基金を立ち上げて寄付を集める仕組みです。先駆的な取り組みの認知を広げることや、取り組みを広げることにも効果を発揮します。

 

上記のような助成事業を軸に、資金的支援、非資金的支援、伴走支援、基盤強化など、各団体、各取り組みに必要な支援を行っていきます。

 

寄付による参加の拡大

地域の課題解決へ寄付をすることをハードルを下げてより多くの方に社会課題の解決に参加いただくために、様々な寄付の方法開発やキャンペーンなどに企業や行政等とも協働で開発しています。例えば、指定されたドリンクを注文するとその一部が寄付になる「カンパイチャリティ」のキャンペーンや、従業員の方々が寄付された額と同額を会社があわせて寄付をするマッチングギフト、募金箱の設置や、カプセルトイなどの自動販売機で購入すると一部が寄付になるなど、様々な方法が試みられています。

 

③社会課題の可視化や共有

その地域における社会課題の可視化や共有を図るために、社会課題を数字で可視化したウェブサイトや気づいた課題を投稿できるウェブサイトの運営、また共有と解決方法を検討し役割分担する機会としての円卓会議の開催などが行われています。

Q.コミュニティ財団についてまとめると?

A.コミュニティ財団について図示すると…

「市民性」「地域性」を土台とし、「寄付による参加拡大」「社会課題の可視化」「事業指定寄付」「社会変革基金」「冠基金」という5つの機能を有し、「地域の社会課題解決・発展・成長」のために存在します。


「ぐんま未来基金」の特徴

設立基本金のご協力を呼びかけ、公益財団の設立をめざします。

助成プログラムと伴走支援を実施します。

若手の支援人材を育成します。

持続的に活動資源(人・モノ・資金・情報)が循環する地域のエコシステムを構築します。

 

力あわせてきざしを支え、自立分散型の持続可能な共生社会の実現を目指します。

課題が社会に認知されていない段階や、課題解決の方法を試行削除する段階は、活動資源調達に苦労しています。

しかし大きな課題の解決には時間も資金も人でもかかります。課題が小さなときに手を打てば、小さな資金や人ででも高い効果を得られる可能性があります。

 

ぐんま未来基金は、社会課題のきざしが社会的に認知され、取り組んでいる団体が独自で活動資源調達ができたり、行政の施策となるまでを支えます。


特定地域を指定した寄付があった場合は、その地域に向けた基金を設定し、地域の団体対象の助成プログラムを作成します。

多様化、複雑化する社会課題に対し分野や組織を超えた連携による事業を支援していきます。


企業や個人から受けた寄付をもとに冠基金を作成することもできます。

群馬県の遺贈寄付の20%は県外に資産流出しており、その比率が高い地域です。ぐんま未来基金で相談窓口を設けることで地域内活用比率を高めていきます。


地域に根差した商品と連携し、寄付付き商品開発の可能性を模索していきます。

災害時により早く寄付を呼びかけ、柔軟に必要とされるところに活用していきます。またその使途についても、迅速に情報公開をしていきます。

楽しいイベントにご参加いただきながら、寄付につなげていきます。

群馬県には休眠預金の資金分配団体がありません。

群馬の団体が休眠預金を活用しようとすると、全国向けに公募された事業に応募することになります。

隣県の長野県ではコミュニティ財団が資金分配団体となり、長野県内の団体対象に休眠預金を分配しています。

その結果休眠預金活用額に大きな地域差ができています。

ぐんま未来基金は、時限性をもって休眠預金の活用を検討していきます。



参考資料

群馬のNPO法人の実態

群馬県内のNPO法人のR3年度収益額合計を調査しました。500万円以下の小規模法人の占める割合は過半数を超えていました。

平均寄付額がコロナの影響もあり大変落ち込んでいます。